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トイレに水がたまらない原因は二つある
毎日何気なく使っているトイレで、レバーを引いても水が流れない、あるいは便器の水が異常に少ないといったトラブルに遭遇すると、多くの人はパニックに陥ってしまいます。この「トイレに水がたまらない」という現象は、実は大きく分けて二つの異なる原因系統に分類できます。それは、「タンクに水がたまっていない」ケースと、「便器に水がたまっていない」ケースです。このどちらの状況なのかを正しく見極めることが、問題解決への最初の重要な一歩となります。まず、レバーを操作しても手応えが軽く、水が流れる音がしない場合は、「タンクに水がたまっていない」可能性が高いです。タンクが空になる原因として最も初歩的なのは、壁や床にある止水栓が何らかの理由で閉まっていることです。次に考えられるのが、タンク内部品の不具合です。タンクに水を供給するボールタップという部品の浮き球が引っかかっていたり、内部のフィルターがゴミで詰まっていたりすると、給水が正常に行われません。また、タンクの底で栓の役割をしているフロートバルブが劣化し、便器へ常に水が漏れ続けているため、いつまで経ってもタンクが満水にならないというケースも非常に多いです。一方、タンクからは正常に水が流れるのに、便器の水位が極端に低い、あるいは下水の臭いが上がってくる場合は、「便器に水がたまっていない」状態、いわゆる「封水切れ」が考えられます。この原因としては、トイレットペーパーなどの詰まりによって排水管内の水が引っ張られてしまう誘引現象や、長期間家を空けたことによる水の蒸発が挙げられます。また、タンク内で便器に水を補給する役割の細いチューブ(補助水管)が外れているという意外な原因も考えられます。このように、同じ「水がたまらない」という症状でも、原因は全く異なります。まずはタンクの蓋を開けて中を確認し、問題がタンク側にあるのか、それとも便器・排水管側にあるのかを冷静に判断しましょう。
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火災・地震!緊急避難と鍵の役割
大規模な地震による激しい揺れ。あるいは、隣家から立ち上る、危険な煙と炎。そんな、一刻を争う緊急事態が発生した時、私たちの命を守るための、最後の出口となるのが「玄関のドア」です。しかし、その時、もし、その扉の「鍵」が、私たちの脱出を阻む壁となってしまったら。私たちは、日頃から、災害という非日常を想定した、鍵との付き合い方を、考えておく必要があります。まず、地震の際に起こりうる、最も危険な鍵のトラブルが、「ドア枠の歪みによる、開扉不能」です。大きな揺れによって、建物全体が歪み、ドアとドア枠が圧迫されることで、デッドボルト(かんぬき)が動かなくなり、施錠・解錠ができなくなる、あるいは、そもそもドアが開かなくなるという事態です。これに備えるためには、日頃から、バールなどの工具を、玄関近くの、すぐに取り出せる場所に常備しておくことが有効です。また、玄関だけでなく、ベランダの窓など、複数の避難経路を確保しておくことも重要です。次に、火災の際に問題となるのが、煙による視界不良と、パニック状態での鍵の操作です。特に、高齢者や、認知症の方がいるご家庭では、複雑な操作を要する防犯サムターンなどが、かえって避難の妨げになる可能性も考慮しなければなりません。家族全員で、緊急時の鍵の開け方を、定期的にシミュレーションしておくことが、命を守る訓練となります。さらに、近年、徘徊防止のために、玄関を外から施錠しているご家庭も増えていますが、これは火災時には、極めて重大なリスクとなります。もし、外鍵を設置する場合は、必ず、煙感知器と連動して、自動的に解錠されるシステムを導入するなど、二重三重の安全対策を講じることが、絶対的な条件です。
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トイレ床の水漏れが起こったら!応急処置とプロに頼むタイミング
トイレの床にじわじわと水漏れが起こっているのを発見した時、焦ってしまうのは当然です。しかし、適切な応急処置を行うことで、被害の拡大を最小限に抑え、プロの修理までの時間を稼ぐことができます。そして、どのような状況でプロに依頼すべきかを見極めることも重要です。まず、水漏れを発見したら、最も優先すべきは「水の供給を止めること」です。トイレの止水栓を閉めることで、これ以上の水の流出を防ぐことができます。止水栓は通常、便器の根元近くの壁や床に設置されており、マイナスドライバーや手で回せるタイプがあります。時計回りに回して完全に閉めましょう。これで水漏れが止まれば、原因は給水系統にある可能性が高いです。止水栓を閉めると、トイレの水は使えなくなりますが、他の水回り(キッチンや洗面所など)は通常通り使用できます。次に、水漏れしている箇所を特定し、水を拭き取ります。床に浸透しないように、乾いたタオルや雑巾でしっかりと水を吸収させ、乾燥させましょう。もし、水が漏れている箇所から便器が離れている場合や、水が止まらない場合は、バケツや大きめの容器を置いて、漏れてくる水を受け止めるようにします。ただし、これはあくまで一時的な応急処置であり、根本的な解決にはなりません。じわじわ水漏れは、放置すると被害が拡大し、修理費用も高額になる傾向があります。少しでも不安を感じたら、迷わずプロの水道業者に相談し、適切な診断と修理を依頼しましょう。