排水口の詰まりは、一度起こると解消するのが大変で、ストレスも溜まります。しかし、実は日々のちょっとした心がけや簡単な工夫で、その多くは未然に防ぐことが可能です。詰まってから慌てるのではなく、毎日の習慣で予防することが最も効果的で経済的な対策と言えるでしょう。まず、キッチンでの予防策です。最も重要なのは「油を直接流さない」ことです。揚げ物油はもちろん、炒め物で使ったフライパンや、油分の多い料理の残り汁なども、キッチンペーパーで拭き取ったり、新聞紙に吸わせたり、凝固剤で固めたりしてから捨てるようにしましょう。食器を洗う前にも、油汚れをヘラや古布で拭き取っておくと、排水口への負担を大幅に減らせます。また、シンクの排水口には必ず「ゴミ受けネット」を設置し、細かな食材カスが流れないようにしましょう。ネットに溜まったゴミは、こまめに取り除くことが大切です。週に一度程度、排水口周りをブラシで掃除し、月に一度程度、お湯(40〜60度)を勢いよく流し込むのも、油汚れの蓄積防止に効果があります。次にお風呂場です。排水口には必ず「ヘアキャッチャー」を設置し、入浴後に溜まった髪の毛はその日のうちに必ず取り除きましょう。目の細かいタイプのヘアキャッチャーに交換するのも有効です。石鹸カスも詰まりの原因になるため、固形石鹸よりも液体ソープの方が詰まりにくいと言われています。また、入浴後に排水口周りをお湯でさっと流しておくのも、石鹸カスの付着を防ぐのに役立ちます。洗面所では、洗髪や髭剃りの際に、できるだけ髪の毛を排水口に流さないように意識しましょう。ヘアキャッチャーを設置したり、ティッシュペーパーで受け止めたりする工夫が有効です。小さなアクセサリーやコンタクトレンズなどを落とさないように、排水口の上に一時的に栓をするなどの注意も必要です。これらの場所に共通する予防策として、月に一度程度、市販のパイプクリーナーを使用して排水管内部をメンテナンスするのも良いでしょう。ただし、使用頻度や用法は製品の指示に従ってください。これらの小さな習慣を毎日、あるいは定期的に続けることで、排水口つまりのリスクを大幅に減らすことができます。少しの手間が、後の大きなトラブルを防ぐことに繋がるのです。
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