下水道料金の従量料金は、一般家庭の場合、上水道の使用量を基に算定されます。しかし、「なぜ下水道の使用量を直接計測しないのか?」「上水道の使用量が、必ずしも下水道への排出量と一致するわけではないのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、下水道料金の算定方法について、その理由と背景を詳しく解説します。まず、下水道料金の従量料金を、上水道の使用量で算定する最も大きな理由は、下水道への排出量を直接計測することが、技術的に困難であり、コストもかかるためです。各家庭の排水口に、流量計を設置し、常に計測することは、現実的ではありません。また、仮に計測できたとしても、そのための設備投資や、維持管理に、莫大な費用がかかってしまいます。一方、上水道の使用量は、各家庭に設置されている水道メーターで、正確に計測することができます。そして、一般家庭の場合、上水道から供給された水のほとんどが、最終的には下水道に排出されると考えられます。もちろん、庭の散水や、洗車など、下水道に排出されない水もありますが、その割合は比較的小さいとされています。これらの理由から、多くの自治体では、上水道の使用量を基に、下水道料金の従量料金を算定する方法を採用しています。ただし、井戸水を使用している場合や、事業所などで大量の排水がある場合は、この方法では正確な汚水排出量を把握できません。そのため、これらの場合は、別途計測器を設置して、汚水排出量を算定したり、業種や、使用状況に応じた推定排水量を基に、料金を算定したりする場合があります。また、自治体によっては、上水道の使用量から、一定の割合を差し引いて、汚水排出量を算定する場合もあります。これは、庭の散水など、下水道に排出されない水の使用を考慮したものです。下水道料金の算定方法は、自治体によって異なります。詳細については、お住まいの自治体の水道局や、下水道局のホームページなどで確認するようにしましょう。
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