ある日、ふとお風呂場の近くの廊下の床がきしむような気がして、気のせいかなと思っていました。トイレつまりに漏水した排水口を交換すれば、数日後には、浴室のドア付近からなんとも言えないカビ臭さが漂ってきたのです。まさかとは思いましたが、インターネットで調べてみると「床下水漏れ」の文字が目に飛び込んできました。背筋が凍る思いでした。うちのお風呂も築年数が経っているし、可能性は十分にある。そして何より頭をよぎったのは、修理に一体いくらかかるのだろうか、という費用の問題でした。見えない場所でのトラブルだけに、被害状況も修理の規模も全く想像がつかず、ただただ不安が募るばかりでした。給水管の老朽化なのか、排水管の詰まりや破損なのか、それとも浴槽自体に問題があるのか。原因によって費用が大きく変わるという情報を見て、さらに心配は増していきました。放置すれば家自体が傷んでしまう、階下への迷惑も考えられる。そう思うと、一刻も早く対処しなければならないと焦りを感じました。しかし、どこに頼めばいいのか、適正な費用はどれくらいなのか、全く見当がつきません。とりあえずインターネットで近所の水道修理業者をいくつか探し、電話で問い合わせてみましたが、状況を見ないと何とも言えないという回答ばかり。そこで重要だと感じたのが、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」でした。費用はもちろんですが、説明の丁寧さや対応の迅速さなども比較できるため、納得して依頼するためには欠かせない手順だと学びました。また、もしかしたら火災保険が使えるかもしれない、という情報も見つけました。契約内容によりますが、「水濡れ」補償が付帯されていれば、修理費用の一部または全額がカバーされる可能性があるとのこと。すぐに保険証券を確認し、保険会社にも連絡して相談してみることにしました。結果的に、我が家の場合は給湯管の一部に小さな亀裂が見つかり、そこからじわじわと水が漏れていたことが判明しました。幸い発見が比較的早かったため、床下の木材の腐食は軽微で済み、配管の部分的な交換と簡単な消毒作業で対応できました。それでも、床の一部を剥がしての作業となったため、決して安い金額ではありませんでしたが、相見積もりを取っていたこと、そして火災保険が一部適用されたことで、当初抱いていた最悪の想定よりは費用を抑えることができました。この経験を通して痛感したのは、水回りの異変を感じたら絶対に放置しないこと、そして慌てずに複数の業者を比較検討し、保険の適用も確認するという冷静な対応がいかに重要かということです。目に見えない場所だからこそ、日頃から少し注意を払い、異常を感じたら早めに専門家に見てもらうことが、結果的に大きな出費と被害を防ぐことに繋がるのだと実感しました。
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