マンションのお風呂場をいつも清潔で快適な状態に保つためには、臭いの原因を作らないための日々の予防策が非常に重要です。大掛かりな掃除の頻度を減らすためにも、毎日のちょっとした習慣を心がけましょう。まず、最も基本的ながら効果的なのが「換気」です。入浴後は、浴室内に湿気が充満しています。この湿気をできるだけ早く排出することが、カビや雑菌の繁殖を防ぎ、結果的に臭いを予防する最大のポイントです。窓がある場合は窓を開け、窓がない場合や天気が悪い場合は、必ず換気扇を回しましょう。換気扇は、入浴後最低でも2〜3時間、理想的には一晩中回しておくのがおすすめです。電気代を気にする方もいますが、カビの発生やそれに伴う清掃の手間、健康への影響を考えれば、必要経費と割り切るのが賢明です。次に、「排水口のケア」です。入浴後、排水口のヘアキャッチャーに溜まった髪の毛や石鹸カスは、その日のうちに取り除く習慣をつけましょう。これを放置すると、雑菌が繁殖し、ヌメリや臭いの原因となります。週に一度程度は、ヘアキャッチャーだけでなく、排水トラップの部品も簡単にブラシでこすり洗いすると、汚れの蓄積を効果的に防げます。また、「浴槽のお湯」も、残り湯を翌日まで溜めておくのは衛生上あまりお勧めできません。残り湯は雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因になることがあります。洗濯などに利用する場合も、できるだけその日のうちに使い切り、早めに浴槽を空にして掃除しましょう。「水滴の拭き取り」も有効な予防策です。入浴後に壁や床、鏡などに付いた水滴をスクイージーやタオルで拭き取るだけで、カビの発生を大幅に抑制できます。特に、壁の下部や床の隅、ドアのパッキンなどは水が溜まりやすいので、重点的に拭き取ると良いでしょう。さらに、「浴室内に物を置きすぎない」ことも大切です。シャンプーボトルや洗面器などを床に直置きすると、その底にヌメリやカビが発生しやすくなります。吊り下げ収納などを活用し、床や棚との接地面を減らす工夫をしましょう。これらの習慣を毎日続けるのは少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば短時間でこなせるようになります。日々の小さな努力の積み重ねが、臭いのない快適なバスルームを維持するための最も確実な方法なのです。
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