高速道路のサービスエリアで、あるいは、見知らぬ土地の駐車場で。車の鍵を、車内に置いたままロックしてしまう「インロック(キー閉じ込み)」や、鍵そのものを紛失してしまうトラブルは、ドライバーにとって、まさに悪夢です。そんな緊急事態に遭遇した時、どこに連絡し、どう行動すれば良いのか。その正しい手順を知っておくことが、迅速な解決への、唯一の道筋です。まず、最も優先すべきは、あなたが「JAFの会員」であるか、あるいは「自動車保険にロードサービスが付帯しているか」を確認することです。もし、これらのサービスの対象者であれば、多くの場合、インロックの解錠作業は「無料」で対応してくれます。鍵屋に依頼すれば一万円以上かかる作業が無料になるのですから、これを利用しない手はありません。まずは、会員証や保険証券、あるいはスマートフォンのアプリなどで、サービスの有無と、緊急連絡先の電話番号を確認しましょう。これらのサービスに加入していない、あるいは、サービスの対象外(鍵の作成など)であった場合に、初めて「鍵の専門業者(鍵屋)」が選択肢となります。鍵屋に依頼するメリットは、そのスピードと専門性です。多くは二十四時間対応で、電話一本で現場まで駆けつけ、国産車から外車まで、幅広い車種の解錠や、鍵の作成に対応してくれます。特に、イモビライザー搭載のスマートキーを紛失した場合は、ディーラーでしか対応できないと思われがちですが、近年では、イモビライザーの再登録まで、その場で行える、高度な技術を持った鍵屋も増えています。ただし、業者によって技術力や料金は大きく異なるため、依頼する前には、必ず、車種と状況を正確に伝え、総額での見積もりを確認することが不可欠です。