トイレの床に、いつの間にか黒っぽいシミや、木材の膨張による変形が見られることがあります。これは、目に見えないところで進行している「じわじわ水漏れ」の典型的なサインです。気づいた時にはすでに床材が傷んでいることが多く、早急な対処が求められます。このような床の変色や異変は、水漏れ箇所を特定するための重要なヒントとなります。床の変色は、水が継続的に接触することで木材やクッションフロアなどの床材が湿気を含み、カビや腐朽菌が繁殖したり、材質そのものが変質したりすることで起こります。フローリングであれば黒ずみや反り、クッションフロアであれば浮きや剥がれとして現れることが多いです。特に、便器の根元付近や壁際でこのような変色が見られる場合、その下で水漏れが起こっている可能性が高いでしょう。具体的な対処法としては、まず水漏れ箇所を特定することから始めます。便器の根元、給水管の接続部、止水栓の周り、あるいは便器の背面やタンクの底など、怪しい場所を乾いた布で拭き、しばらく様子を見て再度湿っていないかを確認します。もし、水に色がついていれば、タンク内の着色剤を使うことで漏れている水をより明確に特定できる場合もあります。タンク内を青い水にする洗浄剤などが一時的に役立つこともあります。ただし、じわじわ水漏れの原因は、目に見えない床下や壁の内部にあることが少なくありません。給水管のわずかなひび割れや、排水管の接続不良など、専門知識がなければ特定が困難な場合も多々あります。自分で特定や対処が難しいと感じたら、迷わずプロの水道業者に相談することをおすすめします。プロは専用の機器や経験に基づいて、隠れた水漏れ箇所を正確に突き止め、適切な修理方法を提案してくれます。床の変色というサインを見逃さず、早めに行動を起こすことが、被害を最小限に抑え、住まいを守るために不可欠です。放置すると、床材の交換だけでなく、土台や柱の腐食、シロアリの発生といった、より大規模な修繕が必要となるリスクが高まります。
気づきにくいトイレ水漏れ、床の変色から学ぶ対処法